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「対岸の彼女」 角田光代 [本]

 

対岸の彼女

対岸の彼女

  • 作者: 角田 光代
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2004/11/09
  • メディア: 単行本

第132回(2005年)直木賞受賞作品です。
いつか読もうとは思いながらなかなか手が出ずにいた作品です。
独身の女性と既婚で子持ちの女性の対比でマイナス的な作品かと勝手に思っていました。

そんなところへTVドラマ化されたものを録画で観ることができました。
ざっと内容を知って興味を持てば本を読もうかと思ったのです。

確かに女性の生きざまの対比ではありましたがいがみあうようなそんな作品ではありませんでした。
ドラマを先に観たこともあって内容を追う形ににはなりましたが思ったより深い作品でした。

「男と女の間には深くて暗い川がある」と歌にもありますが未婚、既婚、子持ちの女性の間にも他者からも線引きされそして自らも線引きしてしまうことがあります。
でもこの作品はそれを乗り越えようとした感もあります。
 
本当はもっとじっくり読むべき作品かもしれません。

ドラマではセンセーショナルな事件に巻き込まれた感のある葵が小さいながらも社長をしている現在に違和感を持ちましたが本を読むと納得できました。

多分ドラマが前向きな感じで終わっていたので本を読んでもそんな風に感じられました。
本だけ読んでいたらちょっとわかりにくい最後かもしれません。

 

 

本の中で後半に何度も出てくる「なぜ私たちは年齢を重ねるのか?」というセリフ。

答えは出てこないのかと思ったらとうとう出てきました。


「生活に逃げ込んでドアを閉めるためじゃない、また出会うためだ。出会うことを選ぶためだ。選んだ場所に自分の足で歩いていくためだ。」


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コメント 6

スマイル

つぐみさん こんばんは
ドラマも本も観ても読んでもいないのですが
>生活に逃げ込んでドアを閉めるためじゃない、また出会うためだ。出会う ことを選ぶためだ。選んだ場所に自分の足で歩いていくためだ。」
年を重ねれば重ねる程、深い出会いに出会っているような気がします。
そして年を重ねたからこそ、自分がどんな場所を求めているかが分かってきました。そしてその場所を選べる自分が居ます。さらに年を重ねると、今気がついていることよりもっと深くを知るようになるなら、年を重ねるって楽しいですね・・・・ということを思いました(笑)楽しい記事をありがとうございます。
by スマイル (2010-04-22 18:01) 

つぐみ

スマイルさん、コメントありがとうございます。
私自身、年を重ねることの良さがわかっていなかったのですがこうして「出会うため」と言われるととても納得できたのです。
それは人だけでなくいろんな事柄と出会うため、のような気がします。
そして何より自分で歩かなくてはいけないことを痛感しているこの頃です。
お時間がありましたら是非読んでみてください。
by つぐみ (2010-04-22 21:25) 

Pace

この本の書評をみて興味を持ってはいましたが、
”気になったまま手つかずの本”の中の一冊に
なっていました。
ほぼ忘れかけていたのですが、記事を拝見して
読んでみたい気持ちになってきました(’’)
by Pace (2010-04-22 23:40) 

Ranger

本を読んだ後に、映像をみたり
映像を見た後に、本を読むことって
その、ひとつじゃ感じ取れないものが、感じたりしますよね^^
by Ranger (2010-04-23 10:00) 

つぐみ

Pace さんも興味をもたれた作品でしたか。
オススメの1冊です。是非どうぞ!
by つぐみ (2010-04-23 19:23) 

つぐみ

Ranger さん、私はできれば原作も読みたい方なのでできるだけ原作を読むようにしています。
それぞれの良さがありますね。
今回は先に映像を観ていたのでわかりやすかったです。
by つぐみ (2010-04-23 19:25) 

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