「温室デイズ」 瀬尾まいこ [本]
瀬尾さんのファンですが、この本は「いじめ」をテーマにした本だったので読むのを避けていました。
でもいじめによる自殺などの報道を耳にしたりして現役の中学教師の瀬尾さんが書く本はどんなものなのかを知りたくなりました。
主人公の「みちる」とその友達の「優子」の2人の視点から書かれてあります。
すーっと読めました。
でもやっぱり重かった。
「みちる」は中学をあと少しで卒業という時期にクラスの雰囲気をおかしいと思い始め「クラスをよくしよう!」と発言していじめられます。
そのいじめに対して彼女は黙々と耐えるという方法で闘います。
一方「優子」は「みちる」を助けることもできず、そのクラスにもなじめなくなり不登校になったりします。
実際こうして闘ってる子もいるんでしょうね。
何だか切ないです。
強いですよ、この「みちる」は。
クラスの同級生も見て見ぬ振り、先生までも見て見ぬ振り。
辛いです。
愛に飢えてるこどもたちが多いのでしょうか?
想像力に欠けるこどもたち。
自分さえよければ、というこどもたち。
(最近はこどもたちだけではないかもしれない・・・)
読み物としてはとても興味深い本でした。
でも現役教師としてのメッセージとしてはどうとらえてよいのかわかりません。
「闘うみちる」と「逃避する優子」、2人を書くことによってこんな生き方もあるとおっしゃてるのでしょうか?
ただ「中学校」を「温室」と呼ぶことに対してそれも真実かもしれないけれどちょっと抵抗がありますね。
なかなか難しい問題です。
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ふっと昔読んだ、干刈あがたさんの「黄色い髪」を思い出しました。
これもいじめをテーマにした本でした。詳しくは忘れてしまったけれど、本を読んで初めて涙をぽろぽろ流した本です。
その頃といじめの体質も変わってるのかもしれませんね。
そういえば、干刈あがたさんの命日を「コスモス忌」として法要をされてるようです。
コスモスの咲く時期に思い出すのも何か不思議です。
干刈さんの本も好きで読み始めた頃病気のため49歳という若さでで亡くなられ驚いたことなども思い出しました。
もう14年も経ったんですね。
また読んでみたくなりました。
詳しくはこちらでどうぞ。…干刈あがた資料館
いじめ・・・難しい問題ですよね。
程度によっては「いじめ」ではなく「傷害」とか「暴行」と呼んだほうがいいものも多いですし。
いじめを苦にした自殺が最近多く報道されていますが、余計に自殺を煽る結果になっていると思います。
まれに命を大切にしよう、学生時代なんて長い人生のうちのほんの数年だ(だから我慢しろ、耐えろ)とコメントする方もありますが、耐えれるなら死んだりしませんよね。
死ななくていい、でも耐えなくてもいい、逃げ道を作ってあげることはできないのでしょうかね。
そして、教師がどうにもできなくても、せめて親は子供のことをわかってあげて、逃げ道を提示してあげて欲しいと思います。
これは自分に言い聞かせていることでもあります。
by りりこ (2006-11-13 15:57)
逃げてもいいから「死なないで」って私も思います。
いじめることが「恥ずかしいこと」としてどうしてわからないんでしょうか?
本当に難しいですね。
by つぐみ (2006-11-13 18:57)