「第2図書係補佐」 又吉直樹 [本]
第2図書係補佐 又吉直樹
第2でしかも補佐。なんという謙虚さ?
本の解説や批評ではなくてその本にまつわるエッセイです。
劇場のフリーペーパーに連載されたコラムを集めたもの、と説明されると「なるほど」と思います。
紹介されている本は有名な古典もあれば最近のベストセラーもあります。
ただ選書はありきたりではなくて「へぇ~」と思う本もあり、それをなぜ選んだのかその章を読みたくなります。
又吉さんはご存知の方も多いと思いますがお笑い芸人です。「ピース」という漫才コンビを組まれています。
生憎、漫才は見たことないのですがテレビには結構出演されていてその飄々とした姿は一度見ると忘れません。
その彼が大変な読書家であることが有名です。
しかも東京で借りたアパートはかつて太宰治の住んでいた番地だったとか・・・・。
以前に自由律俳句の本を共著で出版されています。
「まさかジープでくるとは」 せきしろ 又吉直樹 著
という本です。朝日新聞の日曜の書評欄に載っていて知ったのです。
自由律俳句とエッセイを交代で書いています。写真もモノクロですがちょっと変わった切り口の写真です。
自由律俳句とは五・七・五にとらわれない俳句で川柳とも違うようです。
「ある、ある。」と思うようなことや、思わず吹き出してしまいそうなことやいろいろです。
その時々の感情を上手に俳句にされていますが、これはできるようで、できないのでは?と思いました。
又吉直樹 作
「切りの良い所で止めなかった報い」
「両手を使って数えてる」
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せきしろ 作
「転送されてきたのは美容室のハガキ」
「腑に落ちずレシートをみる女」
買うほどではないですが図書館にあれば借りてみてください。
余談。
自由律俳句で有名なのが山頭火と尾崎放哉(ほうさい)です。なぜか放哉に興味を持ち偶然「海も暮れきる」という放哉の一生を小説化した吉村昭の著作と出会いました。この本は昔々読んだ本ですが印象に残ってます。
- 作者: 吉村 昭
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/05/13
- メディア: 文庫
「咳をしてもひとり」という句は耳にされたこともあるのではないでしょうか。
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