SSブログ

安藤忠雄展 挑戦 [おでかけ]



s-IMG_8397.jpg

 

東京まで行っちゃいました。

以前サントリーミュージアムで安藤忠雄展があったのですが今回は「光の教会」を再現していると聞いて行きたくなりました。大阪府茨木市にある教会ですが信者でもないのに訪れるのは迷惑な話でしょうからこういう機会でないと見ることはできないと思ったからです。

「光の教会」についてはこちらの本が詳しいです。建築関係の方がまとめておられますがドキュメンタリーな感じで素人にもわかりやすく書かれています。

光の教会―安藤忠雄の現場

光の教会―安藤忠雄の現場

  • 作者: 平松 剛
  • 出版社/メーカー: 建築資料研究社
  • 発売日: 2000/12/01
  • メディア: 単行本

 

好評でチケット購入や入館にも待ち時間があるかと心配していたのですがスムーズにチケットも買えたしすぐに入れました。館内は特に最初の方は混雑していましたが後半はほどほどな感じでした。

前回の展覧会では公的な建物が多かったように記憶しているのですが今回は個人宅の映像もあり、網羅している感じがありました。

何人かのクライアントにアンケートをされていました。

何故安藤さんに依頼したのか、経過はどうだったか、住み心地はどうか?

神戸の海の近くに建つ家はテレビでも見たことがあったのでアンケートの回答は興味深かったです。この方は工務店を経営されていてあえて安藤さんにお願いしたそうです。設計も勉強されていたそうで提示された案が不満なら修正をお願いするつもりだったそうですが想像をはるかに超えるもので手を加える余地はなかったそうです。

気になるのが住み心地です。「台風の時は大変やよ。」と安藤さんに言われていたそうで確かに大変だけれど慣れてきてそれを楽しむようになったとか。

どの方も最初は戸惑うようですが慣れてくると住み心地はいいと答えておられました。「住めば都」ではないけれどそれなりに楽しめる余地があるように思います。そしてなにより「安藤ブランド」の心的達成感みたいなものもあるような気がします。

ほんとに数多く手がけられているのに驚きます。私は知らなかったけれど大阪市内の個人宅も何軒かありました。

館内には安藤さんのエネルギッシュさが充満していました。

以前にも書いたことがあるのですが初めて安藤さんの名前を知ったのがたまたまテレビで見た「住吉の長屋」のドキュメンタリーの番組でした。恐らく途中からではあったと思うのですが何か惹きつけられて見ました。30年くらい前で建築業界では有名だったのかもしれませんが当時一般的にはほとんど知られていなかったのではないかと思います。長屋の1軒を建てかえるということ自体びっくりしました。そして部屋の移動に傘が必要というのもびっくりです。これは建ぺい率の関係であったことは後で知りましたがそれでも間に空間を作って部屋に光を取り入れるという意図があったのでしょう。コンクリートの打ちっ放しでミキサー車も入りにくい狭い道でかなり困難を極めたものだったと記憶しています。できあがった家を映像で見ていて正直とても住みにくそうでした。ずっと住み続けられるのかなぁ?と他人事ながら気になっていたのでしょう。

その後「住吉の長屋」として話題に上ることが多く建築関係の重鎮が「住み続けてくれた方に感謝しなくちゃいけない」という意味のことを言われたそうで安藤さん自身もそれは常々おっしゃってます。

困難も苦にされない感もありますし、「あきらめない」という姿勢はすごいです。

表参道ヒルズだったかなかなか住民からの賛同が得られず苦労されたそうですがとことん話し合うという姿勢で臨まれたと本で読んだことがあります。相手が根負けするのかなぁ、と思ったりもしますがどうなんでしょう(笑)

最近は古い建物の補修と保存にも力を入れておられるようです。その展示もありました。

また植物、樹木の植樹にも力を入れておられます。私達夫婦も平成桜の通り抜けには寄付をして桜が植えられてその場所には毎年ではないけれど見に行ってます。ちょうど造幣局前なので今回展示されていた上空写真にもちょっとだけ写ってました。なんだか一等地に植えられているなぁ、とほくそ笑んでいます。またこの場所は私自身の分岐点の場所に近いのでなんだか感慨深いです。

今回の「光の教会」の再現は建築申請をして建てられたと聞きました。会期が終わったらどうなるんでしょう?気になります。

ちょうど朝日新聞で安藤さんへのインタビュー記事が13回に分けて掲載されていました。それによるとこの展覧会も「光の教会」の再現も自費だそうです。今後「住吉の長屋」も再現するそうです。どこに作られるのでしょう?記念館でも作られるのでしょうか?

 

再現された光の教会は撮影可能でした。

s-IMG_8366.jpg

s-IMG_8354.jpg  常に人がいますが座席が写って人がいる方が教会らしくていいような気がしてあえてこんな写真を載せます。

s-IMG_8363.jpg

 

 

直島のインスタレーションも撮影可能でした。美しい映像でした。手を動かす安藤さん。展覧会の最初の所でもスケッチが展示されていましたが絵もお上手です。

sx-IMG_8378.jpg

直島へは行ったことがないのです。なかなか行けないなぁ・・・。

 

全然安藤さんに興味のない夫も「1500円は安いなぁ」とのたもうておりました。

見ごたえのある展覧会でした。

 

 

新国立美術館の建物もいいです。

page171108b.jpg


nice!(11)  コメント(2) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

大阪の「高低差」を楽しもう! [本]



凹凸を楽しむ 大阪「高低差」地形散歩

凹凸を楽しむ 大阪「高低差」地形散歩

  • 作者: 新之介
  • 出版社/メーカー: 洋泉社
  • 発売日: 2016/05/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

先日この本の著者である新之介さんのブックトークサロン(講演会)に申し込んで参加してきました。 先着順で申し込んでいたのですが満席だったようですし空いている椅子も数えるほどでした。


この本をどこで知ったのか忘れてしまいましたがこの方、「ブラタモリ」の案内人を務めた方です。大阪高低差学会代表という肩書きをお持ちです。



講演会ですがあっという間の2時間でした。 200枚もの写真を持ってこられていたそうで冒頭から「早口になりますがご容赦を・・・。」ということでしたがその甲斐あって?30分前に終了し質問をたくさん受付されました。


こうして書き出すとすっかり忘れているのですが「ブラタモリ」の真田丸の回には案内人に苦慮された結果新之介さんに「白羽の矢が立ったようです。」とおっしゃってたのが印象に残っています。確かに定説がないだけに見解が分かれているようで片方の「先生」だけをお呼びするのはできなかったのでしょう。そして一般人というのが差し障りなくお眼鏡にかなったのでしょう。


お話の端々からとても勉強されていることがわかります。地形図はもちろんその他いろんな資料に当たられているようです。最近は日本書紀や万葉集も勉強し始めてるとおっしゃってました。



東京は「谷」が多いそうですが大阪は「州:しま」が多いんだそうです。 

上町台地の散策が面白いというのは納得ですね。きちんと回ったことはないけれど。



質問コーナーで学生に地理で地形の面白さを教えるのだけれど「これは何に役立つんですか?」と問われて返答に困るということでした。


新之介さんも「確かに私も若い頃、全然興味がなかったです。歴史は暗記物というイメージがあって嫌いでした。今すぐには役に立たなくてもでも年を経てきっとその勉強が役立つことがある、と思いたいです。」というような返答をされてました。


そして参加者からその返答をふまえて「実地にあたるとその経験がきっと後年生きてくるはず。」とおっしゃいました。



そうですよね。私もそうです。地理に限らず桜の花だってこんなに愛でるようになるとは思いませんでした。「咲いて当たり前」でしたもんね。


他にもいろいろ質問されてましたがみなさんもいろいろ勉強をされておられるようで感心しました。



大阪でお気に入りの場所は「天王寺の美術館前の階段あたり」とおっしゃてました。私の写真では階段が写ってなくてその落差がわからないのですがこの場所だそうです。


s-VFSH0006.jpg



私の知ってる場所なのでちょっとびっくりしました。ここまで海だったのだと誰かに教わって「そうなんだ・・・。」と遙か遠い昔に思いを馳せたことがありました。



なかなか楽しい時間を過ごせました。ありがとうございました。



nice!(10)  コメント(4) 
共通テーマ:趣味・カルチャー