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「満天のゴール」 藤岡陽子 [本]



満天のゴール

満天のゴール

  • 作者: 藤岡 陽子
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2017/10/26
  • メディア: 単行本



題名からしてハッピーエンドのお話だろうと気軽に読み始めたらいきなり夫の浮気の話から始まり、「え?どういう話だったかな?」とパラパラと最後まで見てみました。
なんとなくあらすじがわかったので再度読み進みました。
夫の浮気の発覚後から離婚を切り出され結婚後戻っていない故郷へ夏休みということもあって小学4年生の息子と一緒に行きます。
いろいろあり、そこで暮らすことになりペーパー看護師だったけれど病院に就職することができました。
その病院は母が手術後2日目に亡くなり、釈然とせず、看護師の道にも進まず父や兄とも疎遠になった因縁の病院でもありました。
そこでいろいろなことがわかりはじめます。
今の世の中の側面も描いています。
たとえば施設に預けっぱなしの高齢の患者に対して検査を怠ったと怒る家族、高齢でその検査の苦痛に耐えてまでする意味がないからなのに。そして訪問看護の医師、その患者。
読み進むと「満天のゴール」という意味もわかります。
登場人物の息子がしっかりしていて小気味いいです。
不実の父に対して毅然と「お母さんをいじめるお父さんなんかいらない。」と言い放ちます。
この本の場合「出会い」というよりは「巡りあわせ」というものを感じました。
「事実は小説よりも奇なり」というけれどこういうことは実際ありそうだな、と思いました。
「巡りあわせ」ってありますね。
どの人ともそうですが決定的な岐路に巡り合った人もいます。
その人に巡り会わなければ違う道を歩いていたかもしれません。
いろんな人と巡りあって助けてもらってここまで来ました。
感謝。感謝です。
内容とあんまり関係ないのですがそんなことを個人的には思いました。

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