SSブログ

「土佐堀川」 古川智映子 [本]

 
  

新装改訂版 小説土佐堀川   ――女性実業家・広岡浅子の生涯

新装改訂版 小説土佐堀川 ――女性実業家・広岡浅子の生涯

  • 作者: 古川智映子
  • 出版社/メーカー: 潮出版社
  • 発売日: 2015/02/17
  • メディア: 単行本

 
 
 
広岡浅子という女性の半生記です。

幕末 三井家に生まれ豪商に嫁ぐものの傾いた家を建て直し、その後、加島銀行、大同生命などを設立、また女子教育に力を注ぎ日本女子大学の創設に関わる女性です。


この名前を知ったのは以前にも書きましたが玉岡かおる著「負けんとき 上・下  ヴォーリズ満喜子の種まく日々」です。
大阪にこんな女性がいたのかと驚きました。
その割にはあまり知られていない名前のように気がしたので少し調べると「土佐堀川」という小説が出版されていることを知りました。

でもあいにく古い本で私の住んでいる市の図書館には所蔵しておらず、府立図書館から借りてもらって読むのもためらってました。
そうこうしていたら朝ドラになることを知り、市立図書館にも新装版が入っていたのです。


明治時代にこんな女性がいたのかと感嘆です。
こういう表現はあまり好きではないですが「男勝り」な女性です。


売りに出されていた炭鉱会社を買い取り、2度目には単身乗り込んで労働争議まで解決してしまうほどでまさに「男顔負け」です。

炭鉱会社を買い取ったり、保険会社を設立したり先見の明があったのですね。

凄いな、と思ったのは我が利益だけを追求するのではなくてその利益を社員に分けたいという思い。
単にお金儲けに走らなかったのです。
耳が痛い経営者、いらっしゃいませんか?


一点不思議に思っていたこと。
それは女子大を創るにあたってなぜ東京だったのか、ということ。
大阪人なら大阪に創りたかったのではないか、いや、大阪にこそ、創ってほしかったと思ったのでした。
この本を読むとその経緯もわかりました。
三井家出身の彼女の親戚が東京の土地を寄付してくれたことが大きかったようです。
どんどん発展していく東京ということもあったのでしょう。
大阪にこだわらず状況に応じて先を見越して対処していくあたりさすがです。


よく「出る杭は打たれる」と言いますがきっとそんなこともいっぱいあったのでしょうね。
「女だてらに」とか言われたりして・・・。

困難にぶち当たると余計に「闘志が湧く」タイプですね。
「七転び八起き」ではなくて「九転び十起き」とは彼女の言葉です。


さてさて朝ドラどんな風になるのでしょうか?
メインキャストはあまり関西出身の方はおられないようですが最近の俳優さん、方言をとても勉強されて駆使されるので大丈夫でしょう。

楽しみにしています。
 


nice!(6)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ: