「美術館の舞台裏」 高橋明也 [本]
著者は現在三菱一号美術館の館長です。
国立西洋美術館などで学芸員としてキャリアを積まれています。
読みやすくて面白いな、と思ってあとがきを読んだら筑摩書房の編集者とフリライターと3人でディスカッションをして事前に疑問として出されたことに答えた中でそれらをまとめられたそうです。
そのせいか、また初心者向けを意識されて書かれたのでしょう。
素人でもほんとに読みやすくまた金銭的なこともおよそのことが書かれていて興味深く読みました。
学芸員の仕事は多岐に渡り大変なお仕事だと思います。
絵を借りるのですから展覧会が終わって無事に返却するまで神経がすり減りそうです。
それが1枚ではないですものね。
外国では学芸員の仕事を分化させているのでキュレーターというプロデューサー的な職種ができあがるのもわかります。
そしてそれのほうが合理的です。
日本ではまだまだそういう方法が確立されておらずそのための大変さもあると思います。
国公立の美術館が多いですから公務員という枠があるのもいいのか悪いのか?そういう課題も示されていました。
美術館の壁の色にも触れられていました。
「美術館の壁の色を覚えていますか?」
確かに覚えていないです。
ほかにもいろいろ興味深かったです。
美術館や絵に興味のある初心者にはお薦めです。