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朝井まかて さんの本 2冊 [本]

時代物は苦手なのですが朝井さんの本は面白いので手がのびます。
年末にに2冊読みました。
 
 


最悪の将軍

最悪の将軍

  • 作者: 朝井 まかて
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2016/09/26
  • メディア: 単行本



江戸幕府五代将軍 綱吉のお話です。
タイトルにあるように「最悪の将軍」。 ほとんど評価されていないのかもしれませんが新しい解釈もあるのかな?と読みました。

兄である四代将軍家綱の急死によって思いがけず将軍となった綱吉。
高い志もなかなか理解されずむしろ曲解されたりしたのかもしれません。

大火や地震、洪水、浅間山噴火、富士山噴火 赤穂浪士討ち入りまでいろいろと起こり普通に政治を行っていてもなかなか民からの信頼は得られにくい状況だったようです。

為政者は孤高なんでしょう。

歴史をよく知っていたらもっと面白く読めたのかもしれませんがそれでも充分楽しめました。
 
 



残り者

残り者

  • 作者: 朝井 まかて
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2016/05/18
  • メディア: 単行本

こちらは江戸幕末のこと。
江戸城明け渡しの際、大奥の女性たちもまた出ていかなけらばならないのです。
そのさなか、用事を思い出したり、大奥にいた猫を探したりして外へ出そびれてしまったりした女性がいてその女性たちのお話です。
一人は最後に確認して出ようとしたのでしょう。

早く出なければいけないのに針競いをしたりして夜を迎えてしまうのですがこのあたりは読み物的だな、と思いました。夜が明けて官軍の人たちが江戸城内に入ってくるので隠し扉や裏道を通ったりして外へ出るのですがそのあたりはスリリングでした。


江戸城明け渡しのこともよく知りませんが確かに大奥の女性も出て行かねばならず大変だったのでしょうね。
反乱も起こらず無事に事が運んだものだと感心しました。
余裕があればそれらのことも知りたい気がしますがなかなかそこまではたどりつかないです。

読み物としては面白かったです。

 
 
 

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「活版印刷 三日月堂」 ほしおさなえ [本]



([ほ]4-1)活版印刷三日月堂 (ポプラ文庫)

([ほ]4-1)活版印刷三日月堂 (ポプラ文庫)

  • 作者: ほしお さなえ
  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2016/06/03
  • メディア: 文庫
 
 
 
 
 
 
 
活版印刷という書名に惹かれました。
いい本だとやっぱり予約者が結構いるのですよね。
ようやく順番が回ってきて早く返さないといけないので大急ぎで読み始めました。

大急ぎで読まなくても次の章が気になってほとんど一気読みに近かったです。

最初からは印刷屋さんの話が出てこなくて「あれ?」と思っていたら出てきました。
印刷屋の店主が高齢のため店じまいをしていて5年が経っているところへ孫娘が住むために引っ越してきたのです。
そうしていろいろ話が展開していってお店を再開することになります。
彼女は学生の頃にこのお店を手伝っていたので作業自体は把握しているので再開できたわけです。

そのお店に訪れるお客さんとのやりとり、それぞれの思いを回想したりして章が進んでいきます。
 
高浜虚子の俳句も出てきたりしてそちらも興味を持ちました。
宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」も話題になるのですがこちらはちょっと苦手な分野なのでサラッと読みました。
どちらも奥が深そうです。 


時には印刷の説明が会話に入っていたりしてそれに違和感を持つ方もいるようですが私には知らないことばかりだったのでとても面白かったです。

「インク」ではなくて「インキ」。
ルビの由来。
活版印刷が凹んでいるように見えること。
などなど・・・。


最終章は活字屋さんという(活字を作る仕事)職業もあってその遺品にまつわるお話でこれまた興味深かったです。


活版印刷に絡めながらも店主やお客さん、それぞれの来し方、生き方も描かれていて心地よい小説でした。
 
結婚をあえて選ばなかった女性、迷いながらも仕事を辞めて結婚にふみきり海外赴任について行くと決めた女性。2つの生き方も示されていてこのあたりも女性ならではの生きる上での選択の難しさを感じました。
ただ、どちらにせよ、自分が納得できるかどうかなのかもしれません。 


印象に残ったフレーズ
「みんな失ったものを抱えて生きている」

そうですよね。
悲しみを抱えたりそれを乗り越えて生きているのですよね。


今年最後に読み終えた本がこの本でよかったです。


今年一年このブログにお越しくださりありがとうございました。
このブログも10年以上続けることができました。
マイペースでまた続けていきたいと思っています。
これからもよろしくお願いいたします。 
 
 
年末のためコメント欄は閉じることにしました。
また来年、お時間があるときにコメントをいただけれは嬉しい限りです。 
 
どうぞ、よいお年をお迎えください。
 
 


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「デトロイト美術館の奇跡」 原田マハ [本]

 

デトロイト美術館の奇跡

デトロイト美術館の奇跡

  • 作者: 原田 マハ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2016/09/30
  • メディア: 単行本

 
  
破産したアメリカのデトロイト市。
これからの財源をどうするか?という問題が起こり、手っ取り早く財源にできるのがデトロイト美術館の収蔵品を売却するという案でした。

結局、寄付を募ることで散逸を防いだのですがその話題を元に小説を書かれたようです。
月刊誌に掲載されたのを単行本化されたようで4編からなります。
ほんとにありそうな話で小説家として巧みな描き方だなぁ、といつも感心します。

表紙を飾るセザンヌの「画家の夫人」という絵を軸に連作という形で描かれています。
デトロイト美術館の数ある有名な絵からこの絵をチョイスされるあたりが心憎いです。
この絵をみているはずなのですがほとんど覚えていません。
私が知っているセザンヌの絵からはちょっとイメージが違うような気がします。
実際には奥さんの絵は何点か描かれているようなのですが私は知りませんでした。

特に美人というわけではないけれど、そして服装も質素な感じですがそれでも芯の通った女性という感じがします。

この本の表紙となっているのを知っていたらもっときちんと観たのに、と後悔しきりです。
 
 
 
 
 

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「ピカソになりきった男」 [本]


ピカソになりきった男

ピカソになりきった男

  • 作者: ギィ・リブ
  • 出版社/メーカー: キノブックス
  • 発売日: 2016/08/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 
 
 
 
 
 
自伝です。直訳的でちょっと読み辛かったのと図書館で借りて急いで返さないといけなかったので斜め読みです。

前書きにあるのですが彼はコピーを作るのはなくて巨匠が描いたかもしれないという新作を描いてました。
そして最初の頃は本物であるという証明をさせて証明書は本物なので当然その絵は本物となるのです。
そのためには
・画家を調べ尽くす
・その時代の画材を入手する
・画家になりきる

こういう風にして贋作を描く高揚感、画家と一体感となることがやみつきになったみたいです。

しかし後半期に一緒に仕事をした仲間は保証書さえも偽物を作る、それはペテンそのものと彼自身も言ってます。

2005年に逮捕、2010年に禁固刑4年、執行猶予3年、保護観察1年 の刑を受けながらも2012年には映画「ルノワール、陽だまりの裸婦」のスタッフとして、絵の制作とルノワール役の手の役で協力しているのにはちょっと驚きました。

そして今は
「偉大なアーティスト風の絵なのだがサインするのは俺で他人の作品とは言わずに売られている。」 そうです。

「だから俺は投機目的ではなく家に絵を飾る楽しみのために買う愛好家のために、完全に合法的に描いている。
彼らが買っているのは贋作とも言えるが法的にはそうでない作品である。巨匠の絵を買えない人たちにとっては魅力的、彼らは俺をごく普通に美術館以外で絵的な感動を味あわせてくれる、ひとりのアーティストとしてみてくれている。」 のだそうです。


確かに私なんかはそれが贋作が本物かよりもその「絵」自体が気に入っているのであって本物でなくてもいいように思います。
実際、美術館のショップなどでは限定とはいえシルクスクリーンの絵を販売してます。
それでも結構いい値段してますよね。
画家の財団とかが認定しているからでしょう。

現在も美術館に彼が描いた絵が展示されていると彼は言ってるそうです。
証明書が本物である限りそれはありえますよね。
 
前回紹介した映画「迷宮のレンブラント」の結末も映画を見終わったときは「映画ならではの結末」と思いましたが案外真理かもしれないな、と思い直しました。 
 
 
特に贋作についてとても興味があったわけではないのですがたまたま映画をみたり、本を読んだりして面白かったので載せてみました。
 
 
 


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「眩 くらら」 朝井まかて [本]

 

眩

  • 作者: 朝井 まかて
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2016/03/22
  • メディア: 単行本

  
 
葛飾北斎の娘 「お栄(葛飾応為)」 を中心に描いた小説です。

北斎に娘がいたのは展覧会に行ったときに数点展示されていたのでそのときに知りました。 「娘さんがいたのか・・・。」とちょっと驚きました。
女だから跡を継げなかったのかな?などと思ったりあんまり認知されていなかったのかと思ったりしてました。
残っている作品が少なそうでしたから。

朝井まかてさんの本も好きなんですが時代物が多くてちょっと苦手なんですよね。
でも今回北斎にまつわるお話だったので読んでみることにしました。 図書館ではやっぱり予約者多数でした。

朝井さんの本もどこまでが事実なのかわかりませんがアウトラインは事実なんだろうな、と思います。
小説内で北斎の絵の手助けをしていたことが描かれていますし、自分の名前では作品の価値が低くて値段が高くならないので代筆をしても「北斎」の名前で売っていたようです。
決して贅沢をしている生活ではなかったようですが借金が多いようでした。
その要因の一つに北斎の孫、(お栄の甥)の尻ぬぐいをしている様が描かれてました。
どこまで事実かわかりませんが。
 
この本の表紙を飾っている絵は「吉原格子先之図」(太田記念美術館所蔵)で惹きつけられる作品です。 
落款はないのですが3つの提灯にそれぞれ 「應」 「為」 「栄」の文字を入れてわかる人だけがわかるという隠れ落款の細工をしているのも憎いです。
 

それにしても「富嶽三十六景」は北斎が病から立ち直って70過ぎの作品だと知り驚きました。
北斎は90歳まで長生きしたそうです。
北斎の死後、お栄は消息不明だそうです。
 

あんまり浮世絵は好きでないのであえて展覧会は観に行ってないのですがそれでも北斎だけはちょっと観ておこうと気になる人です。
今後、北斎展があったら応為の作品が展示されているかを確認して行きたいと思いました。





お栄こと「葛飾応為」に興味がわいて図書館に何か本がないかと調べたら2冊ありました。



応為担担録 (河出文庫―BUNGEI Collection)

応為担担録 (河出文庫―BUNGEI Collection)

  • 作者: 山本 昌代
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 1990/04
  • メディア: 文庫

こちらは古い本なので大活字本しか所蔵していなかったのですがそれで読みました。
山本昌代さんのデビュー作のようです。
北斎親娘のあるときのエピソードが描かれてました。会話が多くて落語の本を読んでる感じでした。
普通大活字本だと数冊になるのですが1冊に収まっているので短編であっという間に読めました。

もう一冊

北斎娘・応為栄女集

北斎娘・応為栄女集

  • 作者: 久保田 一洋
  • 出版社/メーカー: 藝華書院
  • 発売日: 2015/04/30
  • メディア: 単行本

 

応為、北斎の絵を集めていろいろ解説してありました。
ちょっと専門過ぎてついていけませんでしたが絵を観るのは面白かったです。

「眩」の章の題名が一部、絵の作品だったようでそれらの絵を確認できました。

展覧会で展示されていてもその後オークションに出されて所在不明になっている作品も何点かあって写真だけが残っているというのもなんだか寂しいです。
 
落款というのも曖昧でそれを押せばその人の作品になってしまう恐れもあるんですね。


仙人になりたいと思うような奇女だそうで炊事・掃除などの家事はまるでだめ、時間があれば絵のことを考えていたいし、絵を描きたかったようです。
消息不明後もフラフラと絵を描いて自由に生きていたのでしょう。
面白い人生を生きた女性に出会えました。 
 
 

読書記録 和菓子篇 [本]

 
  
 

アンと青春

アンと青春

  • 作者: 坂木 司
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2016/03/17
  • メディア: 単行本



この題名をみて「?」と思われた方も多いと思います。
あの「赤毛のアン」ではなくてあだ名が「あんちゃん」のお話です。

以前に「和菓子のアン」という本を読んで和菓子で小説ができるのかとそして和菓子の奥深さに感心しました。
その続編です。
 
 

和菓子のアン

和菓子のアン

  • 作者: 坂木 司
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2010/04/20
  • メディア: 単行本

 
 
「和菓子のアン」をいつ頃読んだのかと思ったら2010年でした。
あらすじはなんとなく覚えているものの登場人物の細かな経歴まで覚えてなくてちょっと戸惑いました。
登場人物の紹介一覧があってもよかったのになぁ、と思いました。

さて本題ですが和菓子のお店でアルバイトで働くあんちゃん。
高校を卒業したものの進路が定められずとりあえずデパートの和菓子屋さんで働き始めました。

そこで起こるいろんな出来事。
和菓子の名前には深い意味が込められています。
お客様が何故それを選ばれたのか?そんな謎解きの小説です。
 
「アンと青春」 は 
いきなりちょっと暗めの題材でしたが最後の章はなかなかの謎解きでした。
 
 
 

もう1冊 関連本
 
「和菓子のアンソロジー」 

坂木司リクエスト!  和菓子のアンソロジー

坂木司リクエスト! 和菓子のアンソロジー

  • 作者: 坂木 司
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2013/01/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

 
この本は「和菓子のアン」の後に読んだのですがこれも内容はすっかり忘れてますが読んだので記録としてのせておきます。
 
アンソロジーって個別の小説しか覚えてないことが多いです。 多分、柴田よしきさんの小説が印象に残っていたことを思い出しました。 それを機に柴田よしきさんの小説を読もうと思ったのですが内容をみても読みたくなる本がみつけられなかったのでした。また探してみようかな?と思いました。
 
 
 

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「暗幕のゲルニカ」 原田マハ [本]

 
 

暗幕のゲルニカ

暗幕のゲルニカ

  • 作者: 原田 マハ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2016/03/28
  • メディア: 単行本

 
 
 
 
ピカソの「ゲルニカ」は反戦のメッセージを込めた作品であることはなんとなく知っていましたがそれにまつわるドラマがあったことは知りませんでした。

ピカソがこの作品を描き終わり万博会場で披露された後、ロンドンなどを巡回してその後アメリカに約40年程、疎開していたそうです。
それはピカソによる意思でスペインの民主化がなされるまでという約束だったそうでその後民主化されて1981年にスペインに返還されたそうです。

「ゲルニカ」は油彩画ですがピカソの指示で3点のタペストリーが制作されていることもこの本をきっかけに知りました。
1点はニューヨークにある国連安全保障理事会のロビー
1点はフランス?
1点はなんと群馬県立近代美術館が所蔵していると知り驚きました。

2003年、イラク空爆に関する会見が国連安全保障理事会ロビーで行われた際、後ろにあるべき「ゲルニカ」のタペストリーに暗幕がかけられていたんだそうです。
その話もニュースで流れたそうですが全然知りませんでした。
そんなことがあったのですね。
その事件がこの作品を描くきっかけになったそうです。 

原田さんのアートミステリーは史実に基づくフィクションとことわってあるのですがどこまでが史実でどこからがフィクションなのか素人にはわかり辛く混乱してしまいます。
(週間東洋経済の インタビュー記事によると10%の史実と90%のフィクションだそうです。)

この本の最後にもことわってあります。
20世紀部分は史実に基づいたフィクション
21世紀の部分はフィクション、しかも主な登場人物は実在しないしモデルもいないとのこと。
しかし、ゲルニカの疎開に当たってかなり貢献したパルドが実在しないとしたらどうやって疎開されたのか知りたくなりましたがそのあたりが想像力をかきたてての創作なんでしょう。
結構ドラマティックに描いてあってさすがだな、と思います。

もともと知識はお持ちだったのでしょうがかなりの文献を読みこなされて、またスペインへの弾丸ツアーにも行かれて描かれたようです。

この作品、第155回(平成28年/2016年上半期) 直木賞候補となっています。
 
 

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読書記録 2016.05 [本]

伊吹有喜さんの本
ふと新刊が出ていることに気がついて調べてみたら以前の続編ということでした。
ということでまずは最初に出版された方から読みました。

小泉今日子さんも伊吹さんのファンのようで嬉しく思ってます。



BAR追分 (ハルキ文庫)

BAR追分 (ハルキ文庫)

  • 作者: 伊吹 有喜
  • 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
  • 発売日: 2015/07/11
  • メディア: 文庫

東京都内の裏町ねこ横丁にある「Bar追分」昼間は「バル」 夜は「バー」に訪れるお客さんやその街の人たちのドラマ。
連作短編集。

うらぶれた街でどこにでもいるような人たちの営み。
ちょっとその人たちの人生を垣間見る様な感じです。
 
 
 

オムライス日和 BAR追分 (ハルキ文庫)

オムライス日和 BAR追分 (ハルキ文庫)

  • 作者: 伊吹有喜
  • 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
  • 発売日: 2016/02/12
  • メディア: 文庫
続編
主人公の宇藤も少しずつ街の人たちと慣れてきて仕事も順調に進んでいるようです。
こちらもホッと心が和む感じです。
 

 
単行本でも新刊が出ていました。 

今はちょっと、ついてないだけ

今はちょっと、ついてないだけ

  • 作者: 伊吹 有喜
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2016/03/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

仕事にあぶれてしまったアラフォー、アラサーの男女。
ちょっとしたきっかけで一緒に仕事をするようになって歯車が上手くかみ合いだしました。

“いまはちょっと、ついてないだけ…” そんな時期を脱した人たちのドラマ。

倒産、人員整理などで一旦仕事を辞めると定職に就くことが難しい昨今、非正規社員も増えてこの先、日本はどうなるのでしょうか?
同一労働同一賃金をめざすのなら正社員化してほしいと思います。
安定した雇用を目指すべきなのではないかと思うのですが一方で正社員は長時間労働を強いられている場合もあり、生きにくい世の中だなぁと思います。
この本では上手く回りだしてちょっと安堵が得られます。
 

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2016-06-18 [本]

 
先日のあさイチで宮下奈都さんがインタビューコーナーに出ておられました。
ちょっと思っていた感じと違いました。
でも1本筋が通ったところはやっぱり40代を目前にして小説を書こうと思う人でもあり、人を感動させられる小説を書く人だなぁと思いました。


話は逸れますが
BS番組で比較的若手の作家をゲストに招いてのトーク番組あります。
なんと司会者は漫才師オードリーの若林さん。

若林さん、かなりの読書家でしかもこういった作家さんたちとも交流があるようでちょっと意外でした。
又吉さんは有名だったけれど若林さんも知る人ぞ知る?読書家だったのですね。

普段なかなかお顔も知ることのない作家さんたちの素顔が垣間見られて面白いです。

そして番組の最後にその日のトークで話題になったことに関する本を1冊紹介されます。

やっぱり皆さん、たくさん本を読んでおられるんですね。
さっとその話題に沿った本を紹介されます。

以前島本理生さんと夫の佐藤友哉さんが出演された時に夫婦がテーマの本ということで紹介されたのが「死の棘」でした。
題名は知っていたのですがまさか浮気がばれての夫婦間の話だとは知りませんでした。
 

死の棘 (新潮文庫)

死の棘 (新潮文庫)

  • 作者: 島尾 敏雄
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1981/01/27
  • メディア: 文庫

 

幸せそうな島本さんが紹介されていて若林さんも「なんで?」と苦笑されてました。
 
番組紹介サイトです。 
 
 

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「小泉今日子 書評集」 小泉今日子 [本]

小泉今日子書評集

小泉今日子書評集

  • 作者: 小泉 今日子
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2015/10/23
  • メディア: 単行本



読売新聞の読書委員を2005年から2014年まで務めていたそうです。
我が家は読売新聞ではないので全然知りませんでした。

この本のことはどこかの書評欄で知りました。
それによると書評というよりはその本をきっかけに小泉今日子の生活の雑感が書いてある・・・というような感じでした。
ちょっと読んでみたくなって図書館に予約しようとしたら既にたくさんの予約者がいてみなさん、よくご存知なんですね。

そして順番が回ってきました。
すぐに読めそうと思って積んでいたらどんどん日が経ってきてあわてて読みました。

確かに紹介された本が読みたくなります。
私が読んだ本も紹介されていてどんな感想が綴られているのかどんな話に膨らむのかと興味津々で読みました。

私が読んで「よかったな」と思う本は「やっぱりそうですよね。」という感じですがあまり面白くなかった本もそれなりに書いてあって「さすがだな。」と思ってしまいました。
「面白くない。」とは書けないし、人それぞれの好みや感想があるでしょうから違う感想があって当たり前です。
言葉の選択や文章が小泉さんらしくて新鮮でした。
新聞掲載時は1週間に一度なら楽しみだったでしょう。
手元に置いておいてふっと開いたページを読むのも楽しいかもしれません。

読んでいない本で興味を持った本もあったのでメモしましたが読まないかもしれませ

 


最後に読売新聞社の文化記者との対談があってこれが面白かったです。
そうやって書評欄の本が選ばれるのかと。
そして何度も書き直した原稿もあるそうで新聞に載せるからにはそれなりの推敲が必要なんですね。

10年続けられるって本人の努力もさることながらこの書評のファンも多かったのでしょう。

小泉さん、エッセイ集など出しておられるんですね。知りませんでした。

 


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