「偶然の装丁家」 矢萩多聞 [本]
- 作者: 矢萩 多聞
- 出版社/メーカー: 晶文社
- 発売日: 2014/05/02
- メディア: 単行本
シリーズ名は「就職しないで生きるには」ですが意味するところは「会社に就職しないで生きている人シリーズ」でしょう。
うまく説明できないので晶文社HPの紹介文を載せます。
「いつのまにか装丁家になっていた」――。中島岳志さんや森まゆみさんの著作をはじめ、数多くの「本の顔」を手がける矢萩多聞さん。学校や先生になじめず中学1年で不登校、14歳からインドで暮らし、専門的なデザインの勉強もしていない。ただ絵を描くことが好きだった少年はどのように本づくりの道にたどり着いたのか?
本が嫌いなのに本作りが生業となるのはなんとも皮肉な話です。
「自分らしくある」事が難しいこともありますがそうしていることで彼の人生が切り開かれていった感じがします。
発信する手段があってそれを受け止めてくれた人がいたことは幸運だったように思います。
彼も書いてますが「いろんな出会いと運」
最近若い装丁家もどんどん増えてきて知らないお名前の方も多いです。
矢萩さんの装丁された本の一覧の写真がありましたが骨太な本が多いようで私があまり手に取らないような本が多かったです。
なので本自体もあまり見たことがなくて新鮮でした。
あとがきがまた印象的でした。
楽しく過ごせた小学校5,6年の時代の先生を囲んでの同窓会が20歳の時にあったそうです。
中学校時代悪ガキだった友人も参加していて自己紹介で「ニートの引きこもりで今日は薬を飲んで来た。」
その後症状がよくなっていった感じだったのにあるとき、薬に頼ってしまい、その翌日亡くなっていたそうです。
矢萩さん自身もボタンを一つ掛け違っていたら気を病んでいたいたかもしれないと思われたようだし、他人事とは思えなかったことでしょう。
目の前の人たちに助けられてここまできたと回想されてます。
その人の持ってる運命なんでしょうか?
そして思い出す人。
若者に人気のあるバンド「SEKAI NO OWARI」のボーカルのFUKASEさん、彼もひきこもりで薬を飲み、閉鎖病棟に入院していたこともあるそうです。
よくぞ、社会復帰されたことと思います。